◆宮崎アニメヒットで脚光
零戦を設計した堀越二郎(一九〇三〜八二年)をモデルにした宮崎駿監督のアニメ映画「風立ちぬ」が大ヒットする中で、
零戦など飛行機のプラモデルにも注目が集まり、静岡県の地場産業である模型業界に静かな“上昇気流”を呼んでいる。
模型のトップブランド・タミヤ(静岡市)は「風立ちぬ」が公開された七月、ホームページに「入魂のモデルで伝説に迫る」と題し、
型式や縮尺が異なる零戦十二種類を紹介するコーナーを開設。東京・新橋の直営店での売り上げも伸びているといい、
広報担当の山本暁(あきら)さんは「堀越二郎の関連書籍や雑誌が相次いで出版された影響もあり、普段プラモデルを作らない人も手に取っているようです」と話す。
模型ファンから「飛行機のハセガワ」と親しまれているハセガワ(焼津市)も機敏に反応。
普段は全商品をリストアップしている問屋向けの注文書から、零戦十九種類だけを抜粋した特別版「零戦フリーオーダー」を作製し、
七月から配布している。長谷川勝人(まさと)専務(54)は「問屋の食い付きがよく、話題性を感じる」と手応えを語る。
零戦はもともと、戦艦大和、ドイツのタイガー戦車と並び“三種の神器”とも称される模型の定番中の定番だ。
その魅力を長谷川専務は「太平洋戦争初期に奮闘した一方で、末期には特攻に使われたという物語性にある」と解説。
優美なフォルムも人気の理由で「零戦には柳宗悦(やなぎむねよし)の言う『用の美』があり、初期の21型が特に美しい」と話す。
零戦プラモデルの価格は千〜三千円が中心。上級モデルは八千円程度だ。
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20130824/CK20...
返信する